内科(血液内科)
スタッフ紹介
科長
高橋 秀一郎タカハシ シュウイチロウ
副科長
進藤 基博シンドウ モトヒロ
診療内容
当科における特色のある診療への取り組みについて紹介致します。
貧血(鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血、赤芽球癆、悪性貧血、自己免疫性溶血性貧血など)、血液腫瘍(急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、悪性リンパ腫、成人T細胞性白血病/リンパ腫、原発性マクログロブリン血症、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、慢性骨髄増殖性疾患など)に対する化学療法?骨髄移植?末梢血幹細胞移植?さい帯血移植、出血傾向(発性血小板減少性紫斑病、血友病、フォンビルブランド病など)、HIV感染症などの疾患の診療に当たっています。
慢性骨髄性白血病(CML)
CMLは、中?高年者に発症する慢性的に白血球が増加する病気です。病初期には無症状で、次第に全身倦怠感?微熱?体重減少や肝脾腫が出現します。検査値の特徴は、幼若顆粒球や好酸球、好塩基球の増加を伴った白血球の増加(通常は10000/ul以上)や血小板増加、LD?尿酸値高値などです。最近では検診などで白血球増加から偶然に発見されるケースも増えています。CMLの確定診断は骨髄検査により病気の本態であるフィラデルフィア染色体の証明が必要です。長年CMLは、骨髄移植以外完治しない不治の病とされてきましたが、2002年4月よりイマチニブという内服のチロシンキナーゼ阻害薬が日本でも認可となりました。その後、ニロチニブやダサチニブ、ボスチニブ、ポナチニブ、アシミニブが使用可能となり、これまでの抗がん剤を用いた治療方法と比べ、治療成績は飛躍的に改善されました。
近年、チロシンキナーゼ阻害薬で分子遺伝学的完全寛解に到達したCMLの患者さんを対象に、治療の中断を試みる臨床試験が行われ、チロシンキナーゼ阻害薬を中止できる患者さんもいらっしゃるようになりました。
多発性骨髄腫(MM)
MMは、骨髄内の形質細胞が腫瘍化して増殖することにより多彩な症状を引き起こす50~70歳台に多い病気です。よく見られる症状として、骨痛(腰?背中?肋骨)や倦怠感?めまい?頭痛?むくみなどです。病気が進行すると、病的骨折や高カルシウム血症による意識障害も見られます。検査値の異常としては、正球性貧血?総蛋白高値?腎機能異常?血清/尿M蛋白陽性などで、X線写真にて多数の骨溶解病変が見られることがあります。診断は、M蛋白陽性と骨髄検査での異常形質細胞の証明によりなされます。
MMは、確実に完治を来す標準的治療法が確立されておらず、年齢や進行度に応じて治療方針を決定します。当科では、比較的若年者(65歳以下)の患者さんに対して自家末梢血幹細胞移植を行っているほか、ボルテゾミブ、サリドマイド、レナリドミド、ポマリドミド、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、イキサゾミブ、ダラツムマブ、イサツキシマブなどの分子標的薬も積極的に取り入れ、MM患者さんの治療成績向上に努めています。さらに疾患の特徴から、院内他科(整形外科?リハビリテーション科?放射線科?循環器内科?腎臓内科?緩和ケア科?歯科口腔外科など)とも協力し、多職種連携のうえ、総合的な診療を行っております。
外来のご案内
血液?腫瘍内科:2階 23番
入院のご案内
血液?腫瘍内科:5階西