皮膚科
診療科について
皮膚病変は、乳児の先天性皮膚病変から始まり、御年配の方の腫瘍?加齢に伴う皮膚疾患まで、種々の年齢層に渡り様々な病態をおこします。皮膚病の多くは湿疹?皮膚炎群に代表される、日常でよく見られる疾患ですが、ときに薬疹?熱傷?重症感染症?悪性腫瘍など生命に影響を及ぼす皮膚病もあります。当外来は湿疹、蕁麻疹、水虫などの一般的な皮膚科疾患のみならず、皮膚腫瘍、水疱症、アトピー性皮膚炎、乾癬、膠原病、美容、掌蹠膿疱症、発汗異常などの専門的な診察?治療が必要な疾患にも対応しております。
当科は、教授以下皮膚科専門医のスタッフで皮膚病変の診断?検査?治療にあたっております。診察は皮膚科専門医が原則として対応し、特殊疾患に対してはそのスペシャリストが診察に当たっております。2020年10月からは完全予約制となりましたので、当科受診時には他院からの紹介状(診療情報提供書)が必要となります。皮膚病にお悩みの方はぜひご来院ください(初診は午前中のみ)。
- お知らせ
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アトピー性皮膚炎では新たに適応となった外用薬、注射製剤(抗体製剤)、内服薬(JAK阻害薬)を取り揃えており、患者様のライフスタイルや要望にあわせた治療を選択できるようになりました。また、美容外来では新しいレーザーが導入され、より多くの患者様に効果的な治療が可能となりました。
スタッフ紹介
准教授
岸部 麻里キシベ マリ
二輪草センター助教
菅野 恭子カンノ キョウコ
講師
井川 哲子イガワ サトミ
助教
大坪 紗和オオツボ サワ
助教
高橋 千晶タカハシ チアキ
助教
菅原 基史スガワラ モトシ
助教
野崎 尋意ノザキ ヒロヨシ
助教
中川 智絵ナカガワ トモエ
主な診察内容の紹介
悪性腫瘍外来
皮膚腫瘍?皮膚外科グループでは、悪性黒色腫(メラノーマ)、有棘細胞癌、基底細胞癌、乳房外パジェット病、菌状息肉症などの皮膚悪性腫瘍や皮膚良性腫瘍、母斑などを対象としています。外来では、術前の診察?検査?手術の説明と、手術後の診察、再発?転移に対する長期の経過観察を中心として行っています。
疾患の診察にはダーモスコピーという、肉眼では確認が困難な微細構造を観察する器械を用いて悪性黒色腫(メラノーマ)の早期病変の発見に努めています。確定診断のために、腫瘍の一部を切除し、顕微鏡で病理組織を観察する皮膚生検を行います。また腫瘍の位置?広がりやリンパ節転移の有無を確認するため、術前に超音波検査?CT?MRIを行っています。手術では、機能的?整容的な再建を重視し植皮術?皮弁形成術などを行っています。
手術療法の他にも、皮膚悪性腫瘍の種類や病状に応じて化学療法や放射線療法も行っております。特に悪性黒色腫(メラノーマ)の治療では、従来の抗がん剤に加え、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬による治療も積極的に行っています。また、当院緩和医療チームとも連携して、腫瘍による痛みの緩和や終末期医療にも力を入れ、皮膚悪性腫瘍のすべての病期(ステージ)に対応しています。
アトピー性皮膚炎外来
アトピー性皮膚炎は子供から大人まで幅広い年齢で悩まれている方が沢山いらっしゃると思います。すぐに治る病気ではなく痒みに悩まされたり、湿疹が全身どこにでも出るので日常生活への影響も大きいと思います。ここ数年でアトピー性皮膚炎では、注射(抗体製剤)や飲み薬(JAK阻害剤)など新しく使えるお薬が増えており、患者さんそれぞれの生活や社会状況に合わせたお薬を選ぶことができるようになりました。古くから使われてきた塗り薬の治療と合わせて使うことで、かゆみや湿疹に大きな変化をもたらしています。当科では、患者さん一人一人やご家族の方がそれぞれに最適な方法でアトピー性皮膚炎に悩まされない生活を手にすることを目標に診療を行っています。
角化症?水疱症外来
角化症について
魚鱗癬(いわゆるさめ肌)は全身性に鱗屑がみられる疾患の総称です。先天性の場合と、血液系悪性腫瘍などに伴う後天性の場合があります。後者の場合は原因となっている基礎疾患の精査が必要です。前者の場合は通常遺伝性であり、はっきりとした病型診断をつけて、遺伝形式を明らかにすることができます。また、最近話題になっているのが、アトピー性皮膚炎と誤診される可能性のあるネザートン症候群です。顔面が赤くかさかさしており、痒みをともなう湿疹に似た病変が全身にみられ注意が必要です。
水疱症について
先天性水疱症:生後まもなくから機械的刺激をうけやすい部位を主体として水疱が生じます。病型によって遺伝形式?予後?合併症が大きく異なります。
後天性水疱症:自己免疫疾患の一型として後天性に水疱が生じる疾患ですが、いくつかの種類に分かれています。病型によって、治療の選択肢が異なります。
乾癬外来
前教授 飯塚一先生が日本の内外を問わず乾癬の第一人者であったことから、当乾癬外来は平成7年から設置され、のべ600人近くの乾癬患者さんを専門外来の立場から治療してきました。
乾癬は古くからのステロイド外用剤による治療のみならず、最近では副作用の少ないとされる外用剤(ビタミンD3外用剤や配合剤)が使用可能となり、新しい内服薬、注射剤である生物学的製剤も多数適応となり、患者さん一人一人の病状、生活環境に応じて治療選択が可能です。全身照射用および部分照射用のnarrow-band UVB(紫外線照射)治療も行っています。また当科では積極的に治験(参加には様々な条件があります)を行っています。
乾癬について悩まれている方はぜひ当専門外来を受診ください(受診には紹介状が必要となります)。
美容外来
私たちは誰でも「皮膚の老化」があります。また、生まれながらにしてあざがあり、そのことで人知れずお悩みになっている方が多いのではないかと思います。以前は、あざ?シミ?シワは手の施しようがないものとしてあきらめていましたが、今日の医療技術の進歩により治療可能となってきました。当外来においては、美容外用治療のほか、レーザー装置にてあざ?シミに、ケミカルピールにてニキビ?小じわに、イオントフォレーシスにてシミ?たるみなどに対応しております。
掌蹠膿疱症?発汗異常外来
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、手のひらや足の裏に水ぶくれ(水疱)やうみ(膿疱)が繰り返しできる病気です。手足以外の皮ふに症状が現れたり、爪が変形することもあります。一部の患者さんでは胸骨や鎖骨のあたりに関節炎を合併することがあります。
悪化因子として喫煙や扁桃炎、歯周炎(病巣感染)、金属アレルギーなどが関係することもあります。
治療は、悪化因子の除去や薬物療法が中心となります。十分な効果が得られなかった場合、生物学的製剤の注射によって、炎症反応の異常に関わるサイトカインを抑える治療を行うことがあります。掌蹠膿疱症性骨関節炎や病巣感染の治療は、皮膚科以外の科とも連携して治療を行います。
掌蹠膿疱症では、汗が分泌される管(汗管)を中心に炎症が起こっていることが証明されています。汗の異常には、過剰な発汗を起こす多汗症、原因不明の発汗低下を起こす特発性後天性全身性無汗症、汗アレルギーによるコリン性蕁麻疹や血管性浮腫などがあります。このような汗の異常が関係する皮膚疾患について、検査や治療を行います。
膠原病外来
皮膚は、時に体の中の病気や異常を反映して変化をきたすことがあります。膠原病といわれる病気もそのひとつで、皮膚の変化から病気の診断がつくことがあります。当科では、皮膚のスペシャリストならではの病気の診かたを基本として、膠原病の患者さんの診療にあたっています。「かゆい湿疹」「かゆくない湿疹」「変な湿疹」「皮膚のこわばり」「指に傷が出来やすい」「手が冷たくなる」「髪が抜ける」など、小さな変化が病気のサインのこともありますので、お心当たりのある方はまずは当科への受診をご検討ください。
その他
円形脱毛症に対し、ステロイドの点滴治療(発症から6カ月以内の場合)、免疫療法に加え、新たに承認された内服薬などの新しい治療を受けることができます。そのほか、患者さんご自身の皮膚を使ったアレルギー検査など、専門性の高い治療や検査を行うことができます。
外来のご案内
皮膚科:3階32番
入院のご案内
皮膚科:7階西