臨床実績報告
外来患者数の推移
1998年に原渕保明教授が就任された当初、外来患者総数は14,000名余りで、特殊外来も鼻アレルギー外来?小児中耳炎外来?睡眠時無呼吸外来?めまい外来?難聴外来の5つのみあった。患者総数はその後年々増加の一途を辿り、2008年からは20,000人台となっている。一方特殊外来に関しても、耳鼻咽喉科疾患の専門化?患者ニーズへのきめ細やかな対応のため、2003年に扁桃外来?腫瘍外来、2006年に音声嚥下外来、2007年には甲状腺外科外来および嗅覚味覚外来を新たに開設し、現在に至っている。また2006年に耳鼻咽喉科外来が改築され、診察室は全て個室となり患者プライバシーに配慮されたものとなった。今後、旧職員食堂の広いスペースへ移転する計画が着々とすすんでおり、さらなる利便性が期待できる。
近隣の医療施設との病診連携として、2007年より旭川病診連携連絡会(病診連携報告の前身)を開始し、現在では北北海道耳鼻咽喉科懇話会?同門会講演会などにおいて、紹介された症例のフィードバックを徹底するようにしている。この頃から紹介患者数の増加が顕著となっており、病診連携報告による効果も一因となっていると考えられる。外来総患者数は原渕教授就任以来右肩上がりに増加していたが、2011年度頃より教室員の減少により外来診療体制を縮小したことから、外来総患者数は減少に転じている。しかし、新規の紹介患者数と紹介率は引き続き増加傾向であり、通院間隔の拡大?紹介元の診療所への逆紹介などにより再診患者数が減少していることも一因と考えられる。今後も効率的で質の高い医療の達成を目標に、病状の安定している、あるいは定期検査のみの患者は可能な限り紹介元の診療所を逆紹介して、診療の適切な役割分担を心がけてゆきたいと考えている。
最後に、同門の先生方からは常日頃多くの貴重な症例をご紹介いただき、この場を借りて深く感謝を申し上げる。